エドガー・ケイシーと学ぶ 魂の学舎 │ 慢性神経系疾患に用いられるエドガー・ケイシーのエネルギー医療についての再考察


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慢性神経系疾患に用いられるエドガー・ケイシーのエネルギー医療についての再考察

メリディアン・インスティテュート
慢性神経系疾患に用いられるエドガー・ケイシーのエネルギー医療についての再考察


 200212メリディアン・インスティテュート

デヴィッド・マクミランMA

[注:この論文は2002915日ヴァージニア州ヴァージニア・ビーチにて行われた第7回ケイシー医療専門家年次シンポジウムにて発表されたものである。

序論

神経再生への興味は、今から1800年前のガレンの著述まで歴史をたどることができる。その後、今日までの世紀にまたがり、このテーマは散発的な注目を引いただけであったが、この230年の間に末梢神経系(PNS)の再生に飛躍的な進歩が見られた。現在、数種類のPNS再生法が実行されているが、基礎的なアプローチとしては電界の使用、シュワン細胞による誘導、神経成長栄養因子の投与の3つがある。

末梢神経再生法とは対照的に、中枢神経系(CNS)の修復には厄介な問題がある。ある種の魚類、両生類、爬虫類と無脊椎動物に対するCNSの再生についての記録はあるものの、一般にヒトのCNS再生については、既存の医療技術を用いて行うことが可能であるとみなされていない。しかし、CNS治療に対する将来のアプローチは、ヒトのCNS再生における旧来の障壁を打ち破り、新たな展望を開く可能性がある。

慢性神経系疾患に用いられるエドガー・ケイシーのエネルギー医療についての再考察

エドガー・ケイシー(1877-1945)はアメリカ医学会誌(JAMA)の論説において、現代のアメリカにおけるホリスティック医学運動の発展に最大の影響を与えた人物であると定義付けられている。40年 以上もの間、ケイシーはソファに横たわり催眠状態のまま人々へ情報を提供し、質問に答えた。ほとんどの場合、これら催眠状態のケイシーによる言葉、いわゆ る「リーディング」は、助言を求める人々の健康問題に向けられた。「リーディング」は神経疾患についての多くの事例を含み、内科的疾患のほとんどすべてを 網羅している。

病因学と病理生理学による解釈を別にすると、ケイシーのリーディングの中で最も興味深い点は、簡単な技術を精神的および霊的に正しい態度で辛抱強く継続することによって、PNSCNSの両方の神経系統再生が可能であることを繰り返し説いたことだろう。

たとえば、脳疾患に対する神経系統の再生についてケイシーは次のように主張している。

「(金 または銀を用いた電気療法の)原理は、振動力を変えるということである。様々な状態の金と銀を正しい操作で与えることは中枢神経系に作用するだろう。中枢 神経の排出機能と協調し、様々な段階で中枢神経に対し骨病理学的または神経病理学的な操作を行い、病状に応じて必要とされる忍耐、示唆、活動を実行すれ ば、新しい脳に近いものが創造されるだろう。」

ケ イシーが薦める神経系再生の治療計画は上述の定義と一貫している。いくつかの電気療法、多くの場合は簡単な化学電池(湿電池-ウエットセル)を、回路に組 み込まれた薬剤溶液と共に使用するというものである。マッサージ、脊髄の触診、催眠暗示、祈り、瞑想、食餌療法といった他の治療手段は、電気療法が統合的 な効果をあげるための補助として薦められている。

湿電池(ウエットセル)とは、容積2ガロンの容器に銅板とニッケル板を蒸留水、硫酸銅、硫酸および亜鉛の溶液の中に吊り下げた化学電池である。電池回路は通常、塩化金、硝酸銀、カンフル油またはヨウ素の入った「溶液瓶」に組み込まれている。

ワイヤによって電池に接続された銅板とニッケル板が、患者の脊柱と腹部の特定の部位に付着される。
患 者の病気の性質と状態によって、溶液の種類と付着する身体部位が異なってくる。ケイシーは、この装置が「溶液瓶」の中の薬効成分を振動させ、神経系に振動 が伝わると述べている。ケイシーの電気療法の原理は、(消化管による正常な消化、同化作用を飛び越えて)エネルギーと薬物の振動を人体に直接導入すること である。ケイシーは「振動によって薬剤を投与することは経口などの直接投与に比べ、副作用が軽減されるためより安全である」と述べている。

湿電池本体はおよそ2035ミリボルトの範囲内で弱電流を作り出す。興味深いことに、これは人間の表皮で計測される電位値の平均範囲である。 ケイシーは、このような「低電流振動」は人体のエネルギーより過大にならず、同レベルで作用することを力説した。基本的に電池の働きは、人体に記号パターンを送り込む情報システムとみなすことが出来る。

も うひとつの精妙なエネルギー装置は「放射電気装置」と呼ばれるもので、湿電池ほど頻繁ではないが、ときおり神経疾患の治療に推奨された。ケイシーによる と、この装置は身体の精妙なエネルギーを通して循環系と神経系のバランスを取るために使用される。この装置を用いた二重盲式試験から、放射装置の定期的な 使用が手足の血流を促進する可能性があることが示唆された。マクミランとリチャーズは、放射装置と湿電池の理論、構造、応用について詳細に記述している。

ケイシーの存命中に数例の患者がケイシーのアプローチから恩恵を得たとみなされるが、ほとんどの症例はごく簡単に記録されているに過ぎない。ケイシーが1945年に没してから数十年間、おびただしい数の人々がケイシーのリーディングに基づく治療法の有効性を主張してきたが、大部分の逸話は公式に発表されていない。この再考察では、出版された事例報告だけに焦点をあてる。後述の討論では、これらの事例証拠の方法論に言及する。 


筋萎縮性側索硬化症

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動能力のはなはだしい喪失を特徴とする、原因不明の進行性成人発症型運動ニューロン疾患である。ALSはまたの名をルー・ゲーリッグ病としても知られており、通常、発症後2年から5年のうちに呼吸不全による死をもたらす。現在のところ治療法はない。標準的な治療と管理は、ある程度までの症状の軽減と延命に向けられている。 

BAARALS2症例において有意な症状の反転を報告している。秘密保持の観点から、事例には番号をつけて解説してある。

事例 2113

この男性は1992年、44歳のときに発症した。右足のひきずり、歩行の不安定、右腕の脱力、痙縮、過労という症状がみられた。神経学者によって1993年に筋萎縮性側索硬化症との診断が下された。電気診断による検査結果は診断と一致していた。患者によると、1993年に下された予後診断は、「1年以内に車椅子の生活となるだろう。2年以内に死に至る確率は50%、5年後に生存していたら(診断を下した神経学者)は彼の靴を食べてもいい(と言えるほど確率が低い)」というものだった。

この男性は199496年の24ヶ月間湿電池を使用した。(1日の使用時間は45分から60分。)主に栄養補助剤、キレート療法、アマルガム除去など、他の代替医療も用いた。1993年にALSの診断が下されてから約1年間は病気が進行した。患者は1996年春に症状の進行が減少したことに気付きはじめ、2年間の電気療法を完了した時点で症状は完全に反転していた。

事例 7761

この男性は1996年の12月に発症し、19988月にALSの診断が下された。 初期症状は左腕上部と左肩の繊維束性攣縮であった。繊維束性攣縮は左脚の脹脛にも見られるようになり、やがて右脚の脹脛にも現れた。左腕と左肩の筋肉に重篤な萎縮が現れ、次第に身動きが取れない状態となり、わずかな機能が残されるのみとなった。

1998年の9月、彼は湿電池を11回、3035分ずつ使用し、その後3045分間のマッサージを行うという治療を受け始めた。その他の補助療法として放射電気装置を毎日30分使用し、紫外線療法を2週間に1度受け、食生活の改善、栄養補給剤の摂取を行った。

この患者は1998年の後半にグルタミン酸拮抗薬リルテック(リルゾール)と抗痙攣薬ニューロンチン(ガバペンチン)を服用し始めたが、副作用のため199812月に投与を中止した。患者は1999年の1月に病気の進行が止まったと報告した。19993月までに「筋肉の回復、持久力および柔軟性の増加」という好転が見られた。

難病ALSからの復活

 
球脊髄性筋萎縮症

球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は、進行性の珍しい遺伝性運動ニューロン疾患である。SBMAは近位筋の脱力、萎縮、筋収縮などの特徴をもつが、ALSと類似しているため、散発症例の2%がALSと誤診されている。

1991年にALSと誤診されたデヴィッド・アトキンソンは、明らかにこの2%に含まれる例であった。その後、ペンシルヴェニア大学医学部において確定検査を受け、1997年にSBMAであると改めて診断された。ALSと診断された当時、彼は頭部を固定するため首にギプスをはめ、固形食物を飲み下すことが出来ないため流動食を取っていた。更に歩行も困難となっていた。

ア トキンソンは、運動ニューロン疾患の患者にケイシーが与えたリーディングに基づく治療計画に従い、湿電池療法、マッサージ、脊髄触診、精神的・霊的治療 (前向き思考、祈り、聖書研究)を行った。それに加え、ケイシーがリーディングの中で指定したように、金の溶液の塩化物を少量、経口摂取した。

14ヶ月連続でケイシーのリーディングを基にした治療計画を実行した後、アトキンソンは有意な症状の逆転を自覚したため、湿電池治療を中止した。 現在、彼は様々な土地で自らの体験を語り、神経疾患の治療にケイシーのアプローチを採用することを考えている人々を支援している。(アトキンソン、1998年) アトキンソンの事例についての詳細は、BAARの症例報告114番に盛り込まれている。

アトキンソン氏のインタビュービデオはこちら

多発性硬化症

多発性硬化症(MS)はCNSの慢性炎症、脱髄という症状を含む難治性の神経疾患である。 バランス障害、協調困難、衰弱(特に脚部)、視覚障害、疲労、膀胱と大腸の障害、認知障害、情動障害をもたらす。大部分のMS患者は再発を経験し、進行性の機能障害を起こす。

数例の患者が、ケイシーのアプローチを実行することによってMSの症状が改善され、生活の質が上がったと報告している。 その中で、MSからの回復について著書を出版したダドリー・デラネーがもっとも有名な存在である。デラネーは1991年に初めてMSの症状に気付いたと述べている。彼の症状は、しびれ感、視力障害、嚥下障害、振戦、筋痙攣、抑うつ感、疲労、記憶力減退、発話不明瞭、膀胱機能障害などであった。 デラネーはMS症状を自覚してから数ヶ月以内に、放射装置で振動させた金、マッサージ、周到な食餌療法を中心とするケイシー療法を開始した。2年以内に症状が消失したとデラネーは述べている。

別の有名なMS事例は、MSと診断された医師についてのものである。レイ・ビョークは、40年間におよぶMSの治療に相補・代替医療(CAM)モデルを使用した。MS症状を緩和させるあらゆる医学的治療を受けるとともに、ビョークは様々な代替療法を実行した。 ケイシーの湿電池治療とマッサージのほか、アトミダイン(ヨウ素補給剤)、腹部のひまし油湿布といった、リーディングに基づく他の治療法を試みた。特に、ビョークに対しては2つの補完アプローチの組み合わせが顕著な成功を見せた。ケイシー療法とシアラー療法との組み合わせである。シアラー療法は、筋注と経口による栄養補助、食餌療法、エネルギー温存、ストレス管理を行う。これらの療法を併用することで、ビョークは「私はまだMSに罹患しているが、症状は消えている。症状の消失はMSの進行と同じように知らない間に起こっていた。症状の消失にもMSの進行にも劇的な展開はなかった。私はシアラー療法とケイシー療法の併用によって仕事を続けることができ、仕事以外の面でも活動的に生きるエネルギーを得ている。」と報告している。ビョークは症状の寛解と生活の質の向上について、すばらしい臨床報告を提供している。

これらの個々の事例に加え、メリディアン・インスティテュートはMS(9)についてケイシーモデルを用いた小規模な予備的研究を行った。19969月、被験者は10日間の入院治療とトレーニング・プログラムを受けた。その後、被験者は帰宅し、引き続き治療を行った。 9例のうち7例は、6ヶ月後の19973月、週末にメリディアン・インスティテュートを再訪し、進展を評価するフォローアップに参加した。 フォローアップに不参加であった2例のうち1例は、初期プログラムの実施直後に発病したため、在宅治療を行うことができなかった。もう1例は治療の一部を実行し、ある程度の成功を報告しているが、フォローアップのために戻ってくることができなかった。フォローアップを受けた7例のうち1例は、フォローアップの2ヶ月前に治療を開始している。

実験のプロトコールには、金とアトミダインを用いた湿電池装置、マッサージ、食餌療法、精神的・霊的治療が含まれた。身体症状は、自律神経系の生理学的測定(電気皮膚反応と心拍変動)と主観調査によって評価された。精神的、感情的、霊的状態は主観調査によって評価された。

プロトコールを一貫して実行した被験者(十分または完全に実行した例はなかった)を平均すると、主観的な症状チェックリストと質問票、客観的な電気皮膚反射測定の両方において、6ヶ月間に中等度の改善が示された。7例のうち3例では大幅な症状の改善が見られた。症状の改善率は、典型的なケイシー療法の予後と一致している。3年後のフォローアップでは、1例のみがプロトコールを継続しており、治療に対する良好な反応を報告している。

多発性硬化症のメディカルリサーチ

多発性硬化症をウエットセルで克服する

パーキンソン氏病

パーキンソン病(PD)は(大脳)基底核の慢性難治性神経疾患で、振戦、筋硬直、動作の緩慢、歩行不安定などの特徴がある。薬物療法により数年間は症状の進行を抑えることができるが、進行性の病気であるため、標準的な薬剤の効能は時間の経過とともに減少する。

メリディアン・インスティテュートは、ケイシーモデルを使用してPDに関する小規模な予備的研究を行った。研究の形式は前述のMSプロジェクトとほぼ同様であった。199611月、10例のPD患者が研究に参加した。10例の被験者のうち9例は、4ヶ月後の19973月の週末にメリディアン・インスティテュートにおいて進展を評価するフォローアップに参加した。

身 体症状は、自律神経系の生理学的測定(電気皮膚反応と心拍変動)および主観調査によって評価された。精神的、感情的、霊的状態については主観的なアンケー ト調査によって査定した。プロトコールを一貫して実行した被験者(十分または完全に実行した例はなかった)を平均すると、研究者の観察と患者の主観調査の 両方において、4ヶ月間にPDの症状に軽度ないし中等度の改善が認められた。軽微な症状の多くが改善を見せたのは興味深い。たとえば、被験者2例が嗅覚の回復を、1例が色覚の改善を報告している。数例の被験者は、顔の表情でより感情を表現できるようになり、振戦が減少したと報告している。3年後の追跡調査では、プロトコールを継続していたのは1例だけであったが、この患者は症状の有意な改善を報告している。

パーキンソン氏病のメディカルリサーチ

パーキンソン氏病からの復活

アルツハイマー病

アルツハイマー病(AD)は最も一般的にみられる老人性痴呆症であり、アメリカ合衆国における痴呆の全症例の約3分の2を占めている。ADは、皮質と辺縁系ニューロンの進行的な変性と喪失の結果として、記憶力とあらゆる認知機能が著しく減退するという特徴をもつ。

痴呆に苦しむ人のために、エドガー・ケイシーは主として金と銀を用いた電気療法を勧めた。リーディングでは、金と銀が腺組織を刺激し神経系を活性化すると述べられている。あるリーディングの中でケイシーは、推薦される様々な療法において実質的な「脳の再建」法を規定している。この方法(上記の抜粋を参照)は、(湿電池または放射電気装置によって)振動させた金と銀、整骨療法、暗示療法と忍耐からなる。

リチャーズとスミスは、第三世代若年期性アルツハイマー病を患う82歳の男性の改善について報告している。この患者の症状の改善について、彼の妻は「私達は湿電池を中心とした治療を行いました。1999年の6月で、湿電池を使用し始めてから5年になります。現在、私達の生活の質を1から10までの数字で表すと、間違いなく9プラスにはなるでしょう。私達2人はとても忙しく、活動的な生活を送っています」と述べている。男性は定期的にブリッジを行い、車を運転し、その他、日常生活の活動を普通にこなしている。ケイシー療法に加え、この男性は栄養補助剤と様々な他の代替療法を使用している。

筋強直性ジストロフィー

筋強直性ジストロフィー(MMD)は遺伝性の常染色体優性疾患で、筋緊張症、筋肉の消耗、あらゆる筋組織の衰弱、内分泌異常など、複数のシステムに影響する疾患である。

リンダ・カプーティはMDに対するケイシー療法を1年半実行した結果、有意な症状の反転があったと報告している。MMDの症状は30歳のときに発現したが、神経学者が筋ジストロフィーと診断を下したのは、彼女が48歳 になってからであった。症状には、筋無力症(筋収縮後の一時的な硬直)、体力と持久力の減少、下垂症(眼瞼下垂と開眼の困難)が含まれた。短い距離を歩い ただけで息切れし、椅子から立ち上がろうとすると足がからまるといったところまで症状が進行したうえ、「精神的混乱、無気力」となった。

治療は、毎日の湿電池治療とそれに続くマッサージ、ケイシーが奨める基本的な食事療法、霊的専心であった。キャプティは「1ヶ 月もたたないうちに精神的混乱が解消されました。2ヶ月の間に窒息の発作が鎮まり、疲労を感じずに以前より少し長い距離を歩けるようになりました」と述べ ている。彼女は更に、呼吸困難が少し収まってきたと述べた。ケイシー療法を始めてから1年半後、彼女は自身の状態について「大体70パーセント改善した」と推定している。

筋ジストロフィーからの復活

シャルコー・マリー・ツース病

シャルコー・マリー・ツース病(CMT)は最もよく見られる遺伝性の末梢性運動性感覚性ニューロパチーである。CMTの特徴は、足、下肢、手、前腕の筋肉の退化が緩慢に進行することと、四肢、指、つま先の感覚の軽度喪失である。CMT2500人に1人の割合で発症すると推定されている。

アン・ジャフィンは小児期にCMTの症状が現れたが、正式にCMTであると診断されたのは、196820歳のとき、米国立衛生研究所(NIH)においてであった。ジャフィンのCMTは、同じくCMT患者であった父親からの遺伝であった。彼女は1983年にジョンズ・ホプキンス大学病院で一連の筋電図検査を受けるまで、自身のCMT症状を無視していた。検査結果から、「おそらく脚を補強する金具を巻き付けなければならなくなるだろう」という予後診断が下された。ケイシーモデルを用いて良好な結果を得たというCMTの症例報告に心を動かされたジャフィンは、湿電池、マッサージ、触診そして食餌療法という、ケイシーのリーディングに基づいた治療法を実行した。

1984年(歩行困難)と1986年(懸垂足)に症状の大幅な進行が見られたが、このことがきっかけとなり、彼女はさらにケイシー療法に専心するようになった。1988年、 神経の導電率検査を受けるため、彼女は再び米国立衛生研究所に赴いた。検査結果について彼女は「運動神経の反応は、以前ジョンズ・ホプキンス大学で受けた 検査の結果と比べて、悪化していない。それどころか、今回の検査において運動神経の反応値はより大きくなっている」と記されていたと述べている。[参考文献31, p.18] ジャフィンはCMTに関するケイシー療法をその後も定期的に継続し、生活の質に関して望ましい結果を得たと報告している。つい最近、ジャフィンは以下のような所見を述べている。

「私はシャルコー・マリー・ツース病との戦いにおいて、ケイシーの湿電池を15年 以上、定期的に使用してきました。近頃、私は右下肢、右足、右足甲部に脱力を感じるようになりました。休暇のため家を離れたり、仕事に復帰したり、病気の 母の手助けをしたり、といったことがあったため、普段に比べ、あまり湿電池を用いることが出来なかったのです。この脱力感をきっかけとして、私は早速、以 前のように真面目に湿電池治療を行う生活に戻りました。(私は通常、1日交代で金と銀を使用し、現在は銅電極を脊椎下部に付着させています。)以前は、毎日30分湿電池を繋いでいました。今回の脱力感で、湿電池の接続時間を45分に増やしました。私は、(金による45分間の)最初の治療後、症状の改善、すなわち脱力感の軽減を感じました。脱力感が大幅に減少したため、翌日は脱力感のことを長時間忘れていられるほどでした。」

討論

この討論は、ケイシーのリーディングに基づく神経系再生アプローチに関する、2つの基礎的な領域に焦点を当てる。すなわち、(1)ケイシーモデルの概念的根拠と、(2)ケイシーの思想研究に関する方法論の問題である。

電 気療法による神経系修復と再生についての概念は、過去現在を通じて多くの著者によって研究されてきた。リヒトは神経疾患を含めた様々な疾患に対する電気療 法の歴史的発展と応用について徹底的な査察を行い、エネルギー医療の様々な方式、たとえばケイシーの湿電池と類似した化学電池について言及している。

最 近になって、ベッカーは生体電気の研究において、ごく微小な電流が様々な生物学的作用をもたらすことを示唆した。骨組織の治癒と四肢再生の研究において ベッカーは、湿電池が作り出す電圧に相当する自然な電位が皮膚に存在し、脊髄から四肢に向かって放射状に段階的に変化していることを発見した。ベッカーは脊髄の特定の部位における皮膚電位を測定したが、その結果は湿電池回路の接触ポイントしてケイシー療法で使用される部位(上腕と腰部)とある程度まで類似していた。

現代における神経修復の電気療法についてはすでに言及した。生体外実験によると、直流(DC)誘導の電界は神経突起の成長(対照より有意に大きい)を誘発し、その成長は一貫して陰極に向かっている。しかし、このような技術をヒトの神経治癒の加速化に応用するためには、電極を体内に埋め込む侵襲的な外科手術が必要となる。

神 経再生の特定的、局部的な応用とは対照的に、ケイシーのリーディングを基にしたモデルは、はるかに非特異的で全身的である。 ケイシーモデルは人体を自己 回復する存在と考え、全身的な刺激によって特定の部位の再生が促進されるとみなしている。さらに、多様な神経病状に対し基本的に同じ技術を使用し、それは 低電流とある種の神経鎮静薬(金と銀)を特徴とする非特異的な治療を基礎としている。リチャーズらは、神経鎮静薬としての金を含め、金を使用した治療について広範な査読を行っている。

概 念的にみるとケイシーは、人がもつ生来の知性と活力に富む身体エネルギーシステムに治癒的な影響を与えることによって、個々の症例に必要とされる具体的な 治癒が生まれると認識している。このような概念は、歴史的に様々な治療システム(整骨療法、カイロプラクティック、自然療法など)によって指摘されている が、一般に現代の研究者は、天与の治癒力と活力を認めていない。

ケイシーの解釈による生気説は、非常に興味深い霊的な意味を内包している。「電気や振動は神と呼ばれるものと同じエネルギー、同じ力を持っている。神は電灯でも電気機械でもないが、振動は生命そのものが持つエネルギーと同様に創造的なのである。」
このため、ケイシーのリーディングは、治癒に対する主要な影響力として霊性を強調し、あらゆる治癒の基盤となる体内の神聖な知性と振動エネルギーに直接働きかけると考えられる精妙なエネルギー応用装置(湿電池や放射装置)を処方したのである。

ケ イシーの神経系再生アプローチの研究では、方法論の問題を無視することはできない。これらの報告に一貫して現れるテーマのひとつは、ケイシー療法で癒され たと報告している人々が、担当医師やサポートグループから拒絶または無視されたと報告していることである。これらの報告からは、長期にわたる治療に取り組 むだけの動機と忍耐力をもち、医療専門家や同病の患者から否定的な反応を受け、自身の経験を記事や本にまとめるのに充分な文章能力を持つ患者像が浮かび上 がる。デラネーは著書の中で、ケイシー療法でMSが治ったという他の3例の患者を挙げている。同様に、アトキンソンはALSの症状を改善させるため、(ケイシーのアプローチを実行するよう)10例の患者を援助したと述べている。前述の要因により、実際には何名の患者がケイシー式のエネルギー医療から肯定的な結果を得ているか特定することは困難である。

神経系再生に関するケイシーの仮説について、体系的な科学研究は実施されていないが、メリディアン・インスティテュートによる前述の2件 の小規模な予備的研究は、より標準化された研究の一例である。これらの予備研究は、診断状況の標準化の取り組みと将来の研究における問題点の特定の一助と なった。予備研究の結果から、ケイシー療法が神経疾患の患者の助けとなることが示唆された。しかし、結果が出るまで数ヶ月の治療期間が必要となるため、ほ とんどの患者は長期間に渡ってプロトコールを全うするのは難しいと判断した。この点において患者への支援が不可欠である。湿電池の使用と、それに続くマッ サージを日常的に行うことがケイシー療法の核心である。この治療を継続できた患者は、病状の著しい改善を報告した。現在の課題は、患者がケイシー療法を継 続できるよう支援する方法を考案することである。その結果として、患者が長期間ケイシー療法を実行できるようになり、ケイシー療法の評価対象グループの増 大につながる。将来的に解決しなければならない方法論については、以下の領域を言及しておく。

資 源:ケイシーのリーディングを基にした神経系再生アプローチは、実質的な資源、特に支援サービスを必要とする。湿電池の購入と維持に関する金銭の負担が、 患者個人にとっては障害となる。マッサージとその他一定の療法も、財源に制限のある患者にとっては料金がひどく高いものとなってしまう。また、研究資金も 大幅に増加しなければならない。目下、研究資金に制限があるため、精神測定データと簡単な生理学的データが用いられている。

遵 守:治療の遵守はケイシー式のアプローチを研究する上での大きな課題である。ケイシー式アプローチの大部分は、患者の自宅で医療知識のない一般人によって 行われるものであるが、在宅治療は介助者に大きな負担を強いる。湿電池の使用やマッサージなどの日常的治療に伴う生活様式の変化を嫌うことが、短期間での 治療の中止を招くのである。

多 面性:同時に多くの治療法を行うことによって、研究の方法論が非常に複雑化する。本稿で述べた神経系再生についてのケイシーモデルは、エネルギー医療、手 動療法、食餌療法、精神・身体的治癒、霊的概念の組み合わせによる多様な治療計画を使用するため、特定の介入の影響を判断することが困難である。

多 面的治療がもつ別の複雑な側面として、相補的療法(標準療法、代替療法を問わない)の併用がある。進行性の神経疾患の患者はしばしば必死になって様々な療 法を試みる。良い結果が出るまで数ヶ月、ないし数年かかる治療研究への参加を要請した場合、患者が研究のプロトコールで使用された以外の最新治療(どんな 出自の治療でも)を行う選択肢を持ちたがるのは自然なことである。性質はどのようなものであれ、多くの療法を含む多面的治療では、特定の療法の効果を判別 することが難しい。一部の研究者は、「代替療法はあまりにも多くの変量を含むため、どのようなタイプの比較試験でも単一の存在として研究することは不可能 である」と考えている。

文書化:前述の事例報告には、不適切な文書化という深刻な欠損がみられる。ケイシー療法の標準化に関するメリディアン・インスティテュートの予備的研究と、BAARによるデータ収集の改善は、このようなデータ欠損に真剣に対処しようとする試みである。

科 学の進歩は、偶然の観察や逸話的な報告が予備研究につながり、やがて大きな規模の研究となっていくことが多い。このような科学の進歩モデルでは、事例証拠 の相対的な脆弱さは、科学の進歩の過程上、当然あり得ることとみなされよう。進歩の望ましいプロセスとは、ランダム化臨床試験などの客観的で実質的な証拠 に基づいた方法論へと発展していくことである。

結論

事 例証拠の増大は、エドガー・ケイシーが提唱した神経系再生モデルが神経疾患を抱える患者に対して有用であることを示唆している。ここでは、医師の了解や承 認なしに患者自身がケイシー療法を取り入れた症例を主に考察した。必然的に、証拠の質は不均一であり、仮説的である。現在、プロトコールと研究形式の標準 化に対する取り組みが進展しており、ゆくゆくは、より実質的な証拠に基づいた方法論がもたらされる可能性がある。

翻訳:佐瀬康子 片山未紀子



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